プログラムについて
研究領域と主題
本研究は、漢字文の読み書きを軸として展開された東アジア古典世界(漢字圏)を対象として、そこにおいて共通の伝統的な学術メソッドである注釈に改めて着目することで、デジタルヒューマニティーズの時代における新たな東アジア古典学のありかたを探求し、もって東アジア古典学のイノベーションを図ることを目的とする。計画の遂行にあたっては、他領域との研究交流や次世代の育成によって東アジア古典学の方法を開かれたものとし、①東アジア古典世界における注釈史の確認および個別注釈の研究、②著作として出版される古典注釈の作成執筆、③授業やセミナーにおける発表レジュメ作成という基本的な育成レベルへのフィードバックという3つのアプローチの有機的な連関による学術の再生産システムの構築を重視する。
なお本研究は、2019-2023年度科学研究費補助「国際協働による東アジア古典学の次世代展開——文字世界のフロンティアを視点として」(代表:齋藤希史)及び、2015-2018年度科学研究費補助金「東アジア古典学の次世代拠点形成──国際連携による研究と教育の加速」(代表:齋藤希史)及び、2012-14年度科学研究費補助金「東アジア古典学の実践的深化──国際連携による研究と教育」(代表:齋藤希史)の後継プログラムとしてスタートした。また、「東アジア古典学」の研究および教育構想は、2007-10年度科学研究費補助金「東アジア古典学としての上代文学の構築」(代表:神野志隆光)において基礎づけられたものであり、本研究もその理念・構想を継承する。
科学研究費助成事業データベース
思考のための注釈:東アジア古典学の創新に向けて
研究課題番号:24K00055