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セミナー

東アジア古典学の方法 第96回
次世代ロンド(42)

日時
2024年7月27日(土)日本標準時13:30~15:30 (終了予定)
会場
Zoomにてオンライン開催

基本情報

概要

テーマ:「江戸初期の林家の文章理論と創作について」(《江戶初期林家文章理論與創作探析》)


話題提供者:王雍(南京大学 博士课程、京都大学 特別研究学生)
使用言語:日本語・中国語

主催

科研「思考のための注釈:東アジア古典学の創新に向けて」

当日レポート

当日は本学の特別研究学生である王雍さんに「江戸初期の林家の文章理論と創作について」というテーマでご発表いただき、約10名の方々にご参加いただきました。

まず、王雍さんは藤原惺窩の『文章達徳綱領』の編纂背景と意図を紹介した上で、その版本について述べました。さらに、同書の構成と引用書を考察し、その特色を明らかにしました。加えて、林羅山をはじめ、林鵞峰、林読耕斎、林梅洞といった林家の儒者たちの漢文創作に注目し、林羅山と藤原惺窩の交流、および林家儒者による漢文選集の著述・出版活動についても検討しました。また、江戸初期における文章学の展開とその背景については、藤原惺窩と林羅山の仏教から儒教への転向、さらに林家の蔵書と家塾教育の役割を考察しました。

自由討論では、研究史においてこれまであまり重視されてこなかった林羅山の文学活動や、江戸初期の漢詩文評価に関する問題が提起されました。また、朝鮮知識人と林家の交流を踏まえて、同時代の文学の流れで江戸初期の文学の再評価に関する議論も展開されました。

話題提供をしてくださった王雍さん、ご指導くださった先生方、そして討論を活性化してくださった皆さまに、改めて心より感謝申し上げます。

(求思圓 京都大学博士課程)