基本情報
概要
テーマ:漢字の形にに該当する術語は何かーー「字体」「字形」「書体」
話題提供者:楊慧京(京都大学 博士课程)
使用言語:日本語
主催
科研「国際協働による東アジア古典学の次世代展開──文字世界のフロンティアを視点として」
当日レポート
当日は本学の博士課程の学生楊慧京さんに「漢字の形に該当する術語は何かーー<字体><字形><書体>」をテーマとして話題提供をしていただき、10名ほどの方にお集まりいただきました。
楊慧京さんは漢字の形に該当する術語、即ち「字体」、「字形」、「書体」について、国語辞典における定義、学会編纂の辞典での定義、そして近代以降の学者の見解などを点検した上で、自分の考えを述べました。まず、「字体」・「字形」・「書体」に関して、中国・日本・韓国、それぞれの『漢語大詞典』・『日本語大辞典』・『高麗大韓国語大辞典』など辞典での定義と近代以降の学者の見解などを紹介しました。さらに、日本における「字体の規範」と「書体の規範」について自分の考えを述べました。最後
は、今後の課題として漢籍古典において「字体」、「字形」、「書体」の三つ術語の歴
史的変遷を調査するなどを提供ししていただきました。
自由討論では、何に書くか、何を書くかという素材、内容の視点から議論が展開され、文字は情報として機能していることも論じました。また、中国明清時代の俗字研究や出土文献における「字形」・「字体」について議論も展開されました。
話題提供していただいた楊慧京さん、ご指導いただいた先生方、討論に刺激を与えてくださった方々に改めて感謝を申し上げます。
(求思圓 京都大学博士課程)